脳腫瘍は1万人に1人という発生頻度であり,比較的まれな疾患ですが病状によっては生命に直結するものもあります.一言で脳腫瘍といっても,実際には100種類以上の疾患が含まれ,その中には良性の腫瘍から極めて悪性度の高い腫瘍まで様々なものがあります.
それぞれの疾病によって治療法が異なり,例えば手術のみで治癒が得られる腫瘍もあれば,手術後に化学療法や放射線療法などの追加治療が必要となる腫瘍もあります.病気や病態によっては経過観察をお勧めするものもあります.悪性腫瘍の場合,治療法は手術,化学療法,放射線治療が主軸ですが,近年では分子標的治療や免疫治療,交流電場療法や特殊な放射線治療,ウイルス療法など病態に応じた新しい治療がオプションとして加わっています.どのような脳腫瘍かによって,手術でどこまで摘出すべきなのか,化学療法や放射線治療をすべきか,それ以外のどのような方法です治療するのがよいかなど全く異なります.これらを総合的に判断するためには十分な経験と知識が必要とされます.